ご挨拶
医師として40年
診療について
脊髄刺激治療の専門外来を森山記念病院(金曜) (午前)に開設
治療対象の症状は、痙縮(=持続性の筋収縮)と慢性痛(=神経障害障害性疼痛)で、その原因疾患は脳卒中、脳挫傷や脊髄損傷、その他(帯状疱疹、多発性硬化症)、線維筋痛症、整形外科での膝・股・足関節、腰の痛み(手術前後)等です。
通常リハビリで運動機能の改善がなく起立、歩行が安定しない方、種々の鎮痛剤でも抑制できない慢性疼痛の方で、実際には、症状や訴えから痙縮や慢性痛の有無や部位を確認し、薬理学的な反応性を確認し、運動障害の原因になるかを判断します。
限局する痙縮の場合は、局所麻酔薬を注射(トリガーポイント注射)し、筋弛緩作用や、筋痙縮に関連する脳へ持続感覚入力の遮断により、相反抑制の解除、拮抗筋の活動性増加を意図します。
以上の方法で、直後から起立保持や、歩行、走行が可能になる方がおられます。
通常、有効例では3ヶ月間持続するボトックス注射をお勧めします。
一方、筋緊張や痛みが広範の場合、当然、局所注射では不十分ですので、低用量ケタミン静注で全身の筋緊張異常部位へ作用させて、評価し、脊髄刺激での治療可能性を判断しております。
有効例では、脊髄刺激の効果 『歩行の改善、痛みの軽減など』を、一時的にですが、患者さん自身に擬似体験していただきます。これを医師、理学療法士と患者・家族様で共有し、一緒に治療方針を決定致します。ケタミンが無効な場合は、バクロフェンの持続髄注療法を考慮致します。